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第三話「いわくつきの場所から」

「あの木を切ったのがよくなかったのかな?」

実は父が会社を起こしてすぐに私たちは引越しをしていた。以前は熊谷でも南の方の熊谷警察が近くにある17号沿いの一戸建てに住んでいた。

何をきっかけに引越ししたのかはわからないが、割と大きめの中古住宅に引越しをした。

後から聞いた話だが、どうやらそこの場所はあまり「いい場所」ではなかったらしい。地元の人しか知らないよくある話で、過去そこで「何か」があったという。それからずっと空家だったとか・・・。いわゆるいわくつきの場所だ。

その「木」は土地の角にあって、当時の会社の人たちも邪魔だと思っていたのだろう。いつしか兄と会社の人たちで切ったらしい。

「まぁ、そんな事は関係ないだろうし、今さら何を言ったってどうしようもないんだから」

私は基本的にオカルト的な話しは信じない。

4月1日に入社する会社が決まっていた。川崎だ。会社の寮にお世話になることが決まっていたので確か3月下旬に荷物を入れていいと言われていた。

「3月下旬では間に合わない・・・もっと早く引越せるようにならないか?」

無理を承知で先方へ聞いてみると、大丈夫との返事が返ってきた。

春の陽気が近づいている荒川の土手。3月も下旬になると熊谷では荒川の土手沿いに約500本のソメイヨシノが2kmにわたって長いトンネルを作る。

まだ桜が咲くには早い時期。そんな土手沿いで彼女のMR2は止っていた。

「あのさ・・・うち、なんかダメみたいなんだよね。会社」

「うん・・・」

「それでさ、就職もちょっと遠くの川崎に決まったんだ・・・」

「そうなの・・・」

「遠距離・・だね・・・?」

「そうなるね・・・。大丈夫?」

「俺は大丈夫なんだけど・・・親がどうなるのかわからないんだよね。」

エステティシャンの彼女は心配そうな表情を浮かべていた。

高校最後のラグビー埼玉県の準決勝。引き分けという結果だった。ラグビーのルールはサッカーなどと違い延長線やPKといったものがない。くじ引きの抽選で勝敗が決まる。そのくじ引きで我々は負けた。

高校3年間死ぬ思いで練習し、歯を食いしばってがむしゃらにやってきたものがくじ引きで決まってしまうという容赦ない方法だが、ラグビー経験者ならわかると思うが、前後半戦い抜いて、それから延長線など高校生には死ねと言っているようなものだ。

我々の花園への夢はくじ引きという最後で終わった。

部活動が3年で終わり、やっと教習場へ通う事が許された。そこで出会ったのが彼女だった。

話しは戻り、川崎への引越しの日が決まった。

箱型のトラックのレンタカーを借りてそれで荷物を運ぶ予定だ。

「引越しの日程は決まった?」

「この日だったら大丈夫だって」

「そうか・・・・じゃ、その日に荷物を運ぼう」

「結構荷物あるから大変だよね。」

「そうだな・・・・最低限必要なものだけ載せていく・・・」

「??」

普通の引越しじゃない。

何とも言えない不安な気持ちが込み上げてきた。

 

第三話・・・・・「いわくつきの場所から」終わり

第四話へ続く

住まいるラボ

高橋浩二

 

今日も熱く自責で凡事徹底。一人でも多くの笑顔の為に!

ありがとうございます。

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